レンズの明るさは口径比であらわされる
 レンズを正面から見ると、レンズ周りのリング部に「50mm1:1.4」などと表示されている。「50mm」というのはいうまでもなく、そのレンズ蜘焦点距離。「1:1.4」というのがレンズの口径比で、これがレンズの明るさを示す数値になる。口径比は、最大絞り(開放絞り)で前から見たときまるく透けて見える口径、つまり開放時の有効口径とそのレンズの焦点距離との比で、有効口径を1としたとき、焦点距離が何倍になるかを表わしている。だから、「1:2.8」と表示してあれば、そのレンズは焦点距離が有効口径の2.8倍あることになるわけだ。有効口径をD、焦点距離をfとすると、口径比はD/fという関係なので同じ焦点距離の場合各口径が大きいほど口径比は大きくなり、また口径が同じであれば焦点距離が短いほど口径比は大きくなって明るいレンズとなる。その原理はよく部屋の大きさと窓の関係にたとえられる。レンズの有効口径を窓、焦点距離を窓からの距離だと考えてみよう。部屋の広さが同じなら、窓は大きいほど室内は明るいし、窓の大きさが同じなら、窓に近い矩離ほど明るいわけだ。大口径レンズが明るいといわれるのも、この原理からきている。口径比(D/f)をそのまま表示していくと、ほとんどが小数点以下になってしまい、わかりにくくなってしまう。そこで、この口径比の逆数をとったものが(絞り値)で、f/Dで表わされる。そして、レンズの明るさは便宜上F値で表わし、F1.4、f/l.4などと表示される。だから、F値がF4、F5.6と大きくなるほど、焦点距離に対して有効口径が小さくなって、レンズが暗くなっていくわけだ。






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